健幸コラム 第六話 【健幸を目指す生き方へ】

姿勢を正しくというけど、何が一番いい姿勢なの?

大切なのは脱力・ゆるみ

皆さんは、正しい姿勢と聞くと何を思い浮かべますか?この手の質問をすると、「背筋をピンとする」「胸を張る」「お尻を締める」など様々な答えが返ってきます。決して間違いではないのですが、実際にどのような動作で背筋を真っ直ぐピンと伸ばしたいのか?胸はどれくらい張ったらいいのか?お尻のどの部分を締めるのか?など、より細かな点に注目すると、曖昧な表現ばかりで、よくわからない訳です。耳にしたことのある言葉を知っているだけで、やり方はわからないまま。

姿勢において大切なことは、「脱力・ゆるみ」です。私が研修の場などで『正しい姿勢とは?』と質問しても、すぐにこの「脱力・ゆるみ」を答えられる方には出逢ったことがありません。そもそも、一般に、力を入れる動作については、イメージを湧きやすい方が多いのですが、力を抜く動作のイメージを持つ方は非常に少ないと感じます。イメージが湧かない分、「脱力・ゆるみ」の重要性も理解すらされていないかもしれません。どうしたら「脱力・ゆるみ」の状態を手に入れることができるのでしょうか?

重力に逆らって生きていくことが重要

いきなり「脱力・ゆるみ」と言われてもイメージがつかないかと思います。立位姿勢、座位姿勢では確実に筋力が必要となります。誰にでも、地球上にいる限り地球の中心に対して引っ張られる万有引力=重力がかかっているため、それに抵抗しようとする力が作用し、人のカラダは筋力を発揮します。その際に使われている筋肉が抗重力筋です。この抗重力筋は、前脛骨筋、下腿三頭筋、ハムストリングス、大腿四頭筋、脊柱起立筋、腸腰筋などを指し、それぞれの筋肉を無意識下で機能的に使われる状態を作り出すことが、結果的に正しい姿勢となります。

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これらの筋肉は、日々鍛えているアスリートでも使えていない場合があるのです。意外かもしれませんが、自分の競技特性によって、偏りのある鍛え方をしてしまっていることや、怪我によって身体のバランスが崩れているなどの理由が考えられます。さらに、柔軟性などの影響もあるため、身体が柔らかすぎてしまうことも、特異な姿勢を作ってしまいます。では、人はどのように重力と付き合っていくべきなのでしょうか?重力に逆らわなくなって時、人はどのような状況になってしまうのでしょうか?

重力よ、ありがとう!

ズバリ!我々、地球人は、重力に感謝すべきです。重力があることで、前述した抗重力筋が働いて、立つことができたり、走ったり、飛んだりできます。では、重力がない空間に身を置くと人はどうなるのかイメージは湧くでしょうか?

とても参考になるのが、宇宙飛行士です。宇宙飛行士が地球に帰還した時に、立てないくらい、筋肉や骨が弱まっていることを皆さんはご存知でしょうか?重力がない宇宙空間で人が浮いている映像を皆さんもご覧になっていることと思います。地球のような重力負荷が働いていないため、人は浮くことができているのです。この状況では、筋活動もなく、骨刺激も生まれないため、筋肉や骨を弱体化させてしまうのです。

だからこそ、宇宙飛行士が地球に帰還した後にすることは、筋力を戻すためのリハビリであり全身トレーニングなのです。重力は、人が地球で生きている上で必須な負荷であることがご理解いただけたでしょうか?しかし、近年はこの負荷を受けない状態になる人々が増えているのです。ヒントは、老化現象です。(次号に続く)

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